2022年6月7日火曜日

マタイによる福音書27章57~66節

 十字架で死なれたイエス様をアリマタヤのヨセフという弟子が引き取り、自分の墓へ納めました。これは律法に従った行いです。木にかけられた遺体を夕べまで、つまり翌日までそのままにしておいてはならないということが律法に定められています。イエス様の死が午後3時ごろと伝わっていますから、葬りは大変急いで行われただろうと思われます。しかしそのような事情以上に大切なことがここで証しされています。それは、本当にイエス様は死なれたということです。キリスト教の信仰において、「イエスは死なれた」ということは、大事な信仰告白です。使徒信条には「十字架につけられ、死にて葬られ、陰府に下り」と死を意味する言葉を重ねて告白しています。イエス様が本当に私たちの罪の贖いのために罪人への神様の裁きを受け、苦しみ死んでくださったことが、私たちの救いの礎だからです。そこで、イエス様の死を証しする「葬り」の聖書の記事はとても大切なことを伝えている箇所になります。イエス様の死が公に複数の人々によって確認されたことを伝えているからです。さらに、マタイによる福音書は、イエス様の葬られた墓に祭司長たちが、イエス様が復活したと弟子たちが言いふらすことのないようにするために番兵をつけて、遺体が盗まれないようにしたことを報告しています。番兵が墓に納められたイエス様を見張ることで、イエス様は仮死状態でもなく、本当に死んでおられることを証しています。しかも復活は弟子たちが遺体を盗んで、民衆に言いふらしたことではないことを証言しています。

2021718日)

0 件のコメント:

コメントを投稿

マタイによる福音書28章16~20節

 復活されたイエス様と弟子たちの出会いの場所は山でした。そこで聞いたイエス様のお言葉は、新しい時代の始まりと、その時代の中へと使命を与えて弟子たちを派遣する言葉でした。これは、旧約聖書の出エジプト記のシナイ山での神様とイスラエルの民との契約と、律法が与えられた出来事が意識されてい...