2022年6月7日火曜日

マタイによる福音書27章1~14節

 イエス様を殺すために、人々はイエス様を総督ピラトへと引き渡しました。そこでイエス様はピラトの尋問を受けられます。その間にイエス様を裏切ったユダの死について福音書は記しています。ユダはイエス様が有罪となったことを知り、「わたしは罪のない人の血を売り渡し、罪を犯しました」と神殿で告白します。しかしそれに対する祭司長たちの答えは「知ったことではない」でした。祭司の務めは罪を犯した者の贖いのいけにえを神にささげることです。しかし、罪の支配の中で、罪の告白を聞き、神様との間にとりなしをする祭司の務めは失われていました。その結果、悔い改めの機会を奪われ、罪の赦しを得られなかったユダは、自分自身の罪に耐えかねて自殺してしまいます。祭司長たちはユダが投げ込んだ銀貨30枚で外国人のための墓地を買います。それは救い主に関わる預言の成就でした。同時に、この時イエス様に対するピラトの尋問が始まっていました。ピラトの質問にお答えになった以外、御自分に不利な証言に対しては一切お答えになりませんでした。不利な証言に対して、自分の身を守るために抗弁しないイエス様のお姿は、非常に不思議に思われました。なぜなら、まるで有罪判決を望んでいるかのようだったからです。ピラトには祭司長たちがイエスの死を望んでいることは分かっていたことでしょう。イエス様は、ユダのように悔い改める者が侮られ、捨てられることの決してない神の御心による贖いと救いのために、一歩も引かずに十字架の死へと進まれたのです。そこにユダの罪も贖い担われた救い主のお姿があります。

2021613日)

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