2022年6月7日火曜日

マタイによる福音書26章69~75節

 捕えられたイエス様の後を追い、ペトロは密かに大祭司の屋敷の中庭にまで入りました。事の成り行きを見届けようとしたペトロは3度、イエス様の仲間ではないか、と問い質されます。ペトロは激しい言葉でそれを否定しました。「誓って打ち消した」とは、神様の名に懸けて誓ったということです。「呪いの言葉さえ口にしながら」とは、イエス様が滅びるようにという呪いを口にしながら、ということです。ペトロはイエス様との関係を徹底的に否定したのです。その後すぐに鶏が鳴きました。ペトロは、イエス様に「あなたは三度わたしを知らないと言うだろう」と予告されていたことを思い出し、自分の罪に打ちのめされて激しく泣きました。救い主としてご自分を責める者たちすら見捨てられないイエス様のお姿と、ペトロの姿とは対照的です。ペトロは使徒の中でも特に重要視されていた人物です。その人が、イエス様を否定した裏切者であることが全ての福音書で記録されています。もしかしたら、ペトロ自身がこの記録を残すことを強く願ったのではないかと思います。このような取り返しのつかない裏切りの罪を犯したペトロを救ってくださった恵みの記憶として、教会にイエス様の十字架の救いの大きさ、高さ、深さを証しするためにです。聖霊を受けて後、真っ先にペトロは人々の前でイエス様こそ救い主であることを証しします。その時、彼は自分たちのことを「そのことの証人です」と語りました。自分はイエス様と一緒にいました、イエス様の仲間です、と証言したのです。主イエスの救いにあずかり、聖霊を受けて、新しくされたのです。

2021523日)

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