イエス様が子ろばに乗って、エルサレムへ入られた場面です。イエス様の地上のご生涯の最後の一週間が始まります。木曜の晩に捕えられ、金曜日には十字架につけられて殺されます。十字架の死から三日目の次の日曜の朝に、復活をされます。イエス様は明確に救い主としての自覚をもってエルサレムに入られました。しかしそれは叫び声をあげた群衆が期待した「ダビデの子」、すなわち権威に満ち、戦えば必ず勝利をする、ダビデ王国の繁栄を再現する強い実力者としてではありませんでした。既にイエス様はエルサレムでご自分が死に復活することを予告しておられました。それがイエス様の救い主としての自覚なのです。この群衆とイエス様の救い主についての理解と期待の違いが、やがて群衆の「ホサナ」の叫びを「十字架につけろ」の叫びへと変えてしまうのです。その意味では、群衆の叫びに包まれながら、明らかに子ろばに乗って、預言の成就として、まことの救い主としてエルサレムに入られたイエス様は孤独と言ってもいいでしょう。ただお一人の神の子の戦いがここにもあります。救いは徹底的に神の子イエス・キリストのみによってもたらされるのです。そしてイエス様の十字架と復活が実現し、私たちが救いをいただいてイエス様をお迎えする時、「ホサナ」の叫びは、本物の讃美の声となります。私たちを聖め、まことの讃美を取り戻してくださるのもイエス様です。
(2020年8月16日)
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