救い主をお迎えした人々として、マタイ福音書はヨセフに続いて東方から来た占星術の学者たちを伝えています。彼らは、救い主の到来まであらゆる意味で神さまから遠い存在であったということです。占星術を含む占いは、神の民の中から取り除くべきものとして神さまが大変に嫌われたものでした。また、東方というのは神の民であるイスラエルの末裔のユダヤの人々にとって、歴史的に常に自分たちを脅かしてきた敵がやって来る方角でした。それまでの生き方や、出身、さらに歴史の中で積み重ねられてきた出来事のすべてが、彼らは神さまから最も縁遠い存在だということを示しています。しかし、そんな彼らの生き方の中に救い主の誕生をしめす「星」を神さま与え、見出させられたのです。彼らが求めて見つけ出したのではありません。神さまの方から彼らに働きかけられたのです。その時に、彼らは変えられました。「ユダヤ人の王としてお生まれになった方」、すなわち救い主はどこにおられますか、と探さずにおれない存在となったのです。しかも彼らのこれまでの人生を支えていた宝を捧げ物として携えてきます。それまで神さまと無縁と思われた人々が、それまで人生を預けていた宝を救い主に捧げ、代わりにかけがえのない生ける神さまと共にある者、「神の民」へと変えられたのです。私たち一人一人も本当は神さまから遠くにいた存在でした。しかし、主イエスをお迎えして私たちも神が共におられる「神の民」とされるのです。
(2017年7月2日)
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