「目には目を、歯には歯を」という律法の言葉は、この律法は「同害報復法」と呼ばれて理解されることが多いのです。つまり、自分に被害が与えられたのなら、その被害と同じ分量の害を相手にも与えて良いということです。しかし、それ以上はしてはならないということです。しかし、この言葉の元となった律法の言葉であるレビ記24章19、20節にはこうあります。「人に傷害を加えた者は、それと同一の傷害を受けねばならない。骨折には骨折を、目には目を、歯には歯をもって人に与えたと同じ傷害を受けねばならない。」元々は人を傷つける罪を犯した者の「償い」についての律法なのです。「目には目」の復讐をしてもよいという教えではありません。ここが主イエスのお言葉を聞く時の鍵となります。主イエスはこの律法の言葉の後に、「しかし、わたしは言っておく。悪人に手向かってはならない。だれかがあなたの右の頬を打つなら、左の頬をも向けなさい」と言われました。無抵抗であれと教えているのではなく、相手が罪をもってあなたを苦しめる時に、復讐ではなく、愛をもって応えなさいと教えているのです。それがこの律法に込められた神さまの本来の御心なのです。しかし私たちにはとてもこの律法を満たすことはできそうにありません。些細な事にも苛立ち、憎み、嫌みの一つも言わないと収まらない私たちです。しかしそれでは天の国に入ることができません。そのために救い主が来られたのです。主イエスは、十字架の苦しみの中で、頬をうたれ、罵られ、上着を奪われ、十字架を負わされて、なお敵を愛し抜いてくださいました。この罪の贖いによって天の国は開かれたのです。
(2018年3月4日)
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